会社員と異なる保険制度
エンジニアの中には、会社員からフリーランスとして独立することを望む人も少なくありません。
しかし、独立する前に会社員とフリーランスの違いを正しく理解しておくことが重要です。
特に保険の違いは少々複雑で、働く人に関わる保険制度で大きなものは健康保険・年金制度・労働保険の3つが挙げられます。
どの保険も、会社員の方が比較的充実した補償を受けることが可能です。
労働者が加入する健康保険には、ケガや病気で働けなくなった場合の収入をある程度補填する、傷病手当金が存在します。
一方、フリーランスが加入する国民健康保険に傷病手当金の制度は存在しません。
万が一働けなくなった場合、収入は完全にゼロになってしまいます。
また、会社員は国民年金に加えて厚生年金にも加入しますが、フリーランスが加入するのは国民年金のみです。
この違いは、老後に受け取れる年金受給額に直接影響し、会社員の方が多く受け取れます。
最後の労働保険はさらに差が激しく、個人事業主となるフリーランスは雇用保険や労災保険に加入できません。
労働保険には、失業時の補償や育児・介護で休む場合の補償、仕事が原因で治療が必要な場合の補償が含まれています。
万が一の際に労働者の収入を支える仕組みが整っているのです。
ですが、フリーランスはこれらの補償は受けられないため、自分の健康に細心の注意を払う必要があります。
会社員と比べて補償がない分、フリーランスは自分の健康や労働環境、老後の貯蓄を自己管理しなければいけません。